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腫瘍マーカーCA19-9って何?CA19-9と遺伝子の関係って?

目次

こちらの記事の監修医師
HICクリニック院長/医学博士

CA19-9とは?遺伝子との関係と基礎知識

がんの早期発見や経過観察に用いられる腫瘍マーカーの一つに、「CA19-9」があります。今回は、CA19-9の基礎知識、遺伝子との関係、そして遺伝子検査の重要性について解説します。

CA19-9とは?腫瘍マーカーとしての役割と検査方法

CA19-9は、主に膵臓がんや胆道がんといった消化器系のがん診断や治療経過の指標として使用される腫瘍マーカーです。CA19-9はがん細胞やがん細胞に反応した細胞によって作られる糖タンパク質の一種で、血液検査によって測定されます。CA19-9の測定は、がんの診断そのものに使われるだけではなく、がんの進行度や治療効果のモニタリングに役立ちます。ただし、消化器系疾患(胆管炎、膵炎、肝疾患など)でも値が上昇することがあるため、単独ではがんの確定診断にはなりません。

CA19-9の値が高いと何を意味するのか?

CA19-9の値が高い場合、いくつかの可能性が考えられます。まず、CA19-9は特に膵臓がんや胆道がんで高値を示す傾向にあるため、これらのがんの存在や進行状況を反映している可能性があります。CA19-9の基準値は37U/mLですが、特に進行がんでは数値が1000を超えるなど大幅に上昇することが多いです。また、胃がんや大腸がんといった一部の消化器がんでも上昇するケースがあります。ただし、胆管炎や慢性膵炎などの良性疾患でも一時的に数値が上昇することがあるため、がん以外の原因も疑う必要があります。医師と相談しながら追加検査を受けることが重要です。

CA19-9とルイス抗原遺伝子の関係とは?(発現しない人がいる理由)

CA19-9の発現には「ルイス抗原」という糖鎖構造が関与しています。ルイス抗原を持たない人(約5〜10%の欧米人や日本人の一部)では、がんになってもCA19-9の値が上昇しないことがあります。これはルイス遺伝子の欠損によりCA19-9を作ることができない状態だからです。このため、がんの診断やモニタリングにおいて、CA19-9だけでなく他の腫瘍マーカーや画像診断を組み合わせることが大切です。

CA19-9だけでなく遺伝子を調べる重要性とは

CA19-9検査だけでは不十分?がんリスク評価の限界

また、CA19-9はがんの指標として有用ですが、全てのがん患者で上昇するわけではなく、また良性疾患でも上昇することがあります。そのため、CA19-9単独ではがんの正確な診断には不十分です。がんのリスク評価には、腫瘍マーカーだけでなく、遺伝子検査が重要な役割を果たします。遺伝子の変異はがんの発生リスクを高める重要な要因のため、個別のリスク評価には遺伝子解析が不可欠です。

遺伝子解析で分かるがんの発症リスクと個別化医療

遺伝子解析は、がんの発症リスクをより詳細に評価し、個別化医療を実現するうえで重要な役割を果たします。遺伝子解析によってがんの発症リスクを高める遺伝子変異を特定することで、発症の可能性を評価できます。一部のがんは遺伝的要因が強く関与しており、家族歴のある人は発症リスクが高くなります。家族にがん患者がいる場合、これらの遺伝子変異の有無を調べることで、予防策を強化し、早期発見につながります。

当院で提供する遺伝子検査プログラムとは?

当院オリジナルの遺伝子検査では、現時点で268種類のがん関連遺伝子を検査し、異常をきたしている遺伝子を特定することが可能です。それにより「がんになるリスク」「がんの進行状況」「がん治療が必要なレベル」を調べることができ、その遺伝子診断結果に合わせた個々の最適な治療を提案することができます。

遺伝子治療によるがん予防とCA19-9の活用

がんリスクに応じた個別化予防プログラムのメリット

遺伝子診断によりがんの兆候を早期に把握することで、がん細胞が大きくなる前の段階で予防・治療を行うことが可能です。どの遺伝子が異常をきたしているのか把握した上で最適な遺伝子治療を行っていきます。遺伝子の変異状態は人によって様々であるため、当院では268項目の遺伝子を調査することでオーダーメイドでの予防・治療を行っています。遺伝子情報に基づいたアプローチにより、がん発症の可能性を最小限に抑えることができます。

早期発見・予防のための最新の遺伝子治療とは?

遺伝子治療とは、傷ついた遺伝子や機能が失われた遺伝子に修復するための遺伝子を細胞内に導入して病気や症状を軽減する治療法です。従来のがん治療は、腫瘍が発生した後に手術や抗がん剤などで対処する方法が主流でした。しかし、遺伝子治療では遺伝子レベルでがんのリスクを分析し、発症を防ぐための予防・治療を行うことが可能になっています。

当クリニックで受けられる遺伝子カウンセリングと治療の流れ

遺伝子検査はわずか28ml程度の採血によって診断することができます。検査後3週間〜1ヶ月後に再度来院していただき検査結果を医師が説明いたします。細胞は常に分裂を繰り返しているため、身体の状況は刻々と変化を遂げています。検査結果に異常がなかった際には、1年に一度のペースで定期的に検査を行うことを推奨しています。また検査結果のがん遺伝子異常の個数によって、その後の治療は異なります。

まとめ

CA19-9はがん診断の重要な指標ですが、必ずしもがんであるとは限らないため、単独での判断は不十分です。遺伝子検査と組み合わせることで、より精度の高いがんリスク評価と個別化医療が可能になります。前がん状態であれば、まだ治療による体への負担が少ないため、1日でも早く遺伝子診断によって現在の状態を把握することが重要だと考えています。

積極的にがんの早期発見と予防を進めていきましょう。

こちらの記事の監修医師

Picture of 平畑 徹幸

平畑 徹幸

HICクリニック院長 医学博士
平畑院長の紹介はこちら

■所属団体
日本内科学会、日本抗加齢医学会、一般社団法人 日本アンチエイジング外科学会、膵臓病学会、日本遺伝子診療学会、日本人類遺伝子学会、アメリカ人類遺伝学会、A4M「米国抗加齢学会」
■著書
『がん遺伝子診断・治療のススメ がん予防・治療の新しい選択肢』、『すい臓病の原因と予防―お腹・背中・腰がモヤモヤしたら…』他

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