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腫瘍マーカーのCa19-9の数値が高いのはどういうこと?

目次

こちらの記事の監修医師
HICクリニック院長/医学博士

腫瘍マーカーはがんの診断や状態を把握するために重要な検査です。特にCA19-9は膵がんや胃がんなどの可能性を示す指標であり、基準値の37U/ml以下より高値の場合や、数値が1000を超えるとがんの可能性が高く、進行度も深刻なため医療機関で詳細な検査が必要です。悪性腫瘍の場合、通常は標準治療や分子標的治療が行われ、治療の効果を数値で確認することも可能です。

当院では、一般的な腫瘍マーカーや人間ドッグ等で行う採血以外に、251種類の遺伝子検査によりがんの有無を調べることができます。この遺伝子診断により、がんのリスクや進行状況、治療の必要性を評価します。診断結果に基づき、がん遺伝子治療による予防や治療を行っており、既にがんの患者に対しては他の治療との併用で効果的な結果が得られる場合があります。また、がん予防を目的とした遺伝子治療も可能で、遺伝子異常がある場合は正常化し、異常がない場合は異常な遺伝子の発生を防ぎます。

腫瘍マーカーのCA19-9が高かった場合

腫瘍マーカーの説明を行う前に、前提として身体にがんができると、がん細胞や、がん細胞に反応した細胞によって特徴的なタンパク質などの物質が生成され、体液中に増えていきます。

腫瘍マーカーは、これらの物質を検査することでがんの存在や、治療経過、再発や転移がないかを調べる事ができます。

その中の一つとして、CA19-9が高値の場合、悪性疾患以外でも良性疾患でも高くなることがありますが、基準値より大幅に高いのは何らかの異常が起きている事が予測されます。

そのため、まずは医療機関でかかりつけ医に相談してみましょう。

そもそもCA19-9の値は何を表している?

CA19-9は膵管や胆管など消化管、気管支腺、子宮内膜などに多く存在するタンパク質を表しています。

基準値はどのくらい、危険値はいくつ?

基準値は37U/ml以下で、それより高値の場合は異常値とされています。

CA19-9が高いとどうなる?

37以下が基準値で37から50が軽度上昇、50から100が中等度上昇、100以上が高度上昇と言われています。
数値が1000を超える場合はがんの存在の可能性が高く、既にがんの場合は進行度が高い場合もあります。

また治療効果が低下する可能性や生存率が悪化する可能性があります。したがってがんと仮定した場合、数値が高ければ高い程重症であり、他の臓器に転移してしまっている可能性もあるので直ちに医療機関で検査を行う必要があります。

CA19-9で癌になる確率は?数値の信頼性はあるの?

膵がん・胆管がん・胆嚢癌で80から90%、胃癌・大腸癌で30から50%の陽性率を示すデータはありますが、病態やステージにもよって変化します。

また、早期癌や2cm以下の膵がんでは陽性率が約半分と言われており、診断やスクリーニングでの有用性は限定的です。胆管炎を併発した膵炎、胃炎、肝炎、肝硬変などの良性疾患でも100U/mLと高値になることがあるため、注意が必要です。

CA19-9が高い場合、発病する癌は何?

膵癌、胆管がん、胆嚢癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、卵巣癌、乳癌、子宮体癌、肺癌等です。

CA19-9の数値が高い場合はどうしたらよい?

まずは、医療機関で検査を受ける事をお薦めします。

悪性疾患以外にも良性疾患、未治療の糖尿病でも高い数値が出る場合があり、医療機関を受診し血液検査以外に、必要であれば超音波検査、胃、大腸内視鏡、CT、MRI等や、婦人科疾患が疑われる場合は内診も含めて精査が必要になります。

CA19-9が高くなる要因、どんな人が高くなりやすい?

癌以外にも、膵炎、肝炎、胆石症、子宮筋腫、卵巣嚢腫子宮内膜症、気管支拡張症、肝炎、肝硬変、溶連菌感染、糖尿病などが原因でCA19-9の数値が高くなることがある為、高値だからといって、必ずしも膵臓癌、胆嚢癌、胆管癌などの癌だけが原因というわけではありません。

CA19-9の数値が急に高くなったけど、なぜ?

一例ですが、膵癌の症状の一つとして、血糖値が高くなることがあります。糖尿病を治療している場合、血糖のコントロールが急に悪くなり調べてみたら膵臓癌が見つかり、CA19-9の値が1年前より急に高くなった例があります。
膵臓がんは慢性膵炎が原因の場合が多く、がんの中でも発見が難しいとされています。膵臓の位置が他の臓器や血管に囲まれているため、超音波検査や内視鏡検査等でも発見が難しいことがあります。そのため腹部や背中の痛みの触診や、他の検査結果による総合的な判断から膵臓がんを診断します。膵臓がんは進行が早く、発見された時にはすでに進行していることが多いため、早期発見が非常に重要です。
膵臓がんについて、詳しくは下記の記事もご覧ください。

CA19-9の値を正常値にするために自分でやれること

癌でなく糖尿病、膵炎、肝炎等であれば生活習慣を改善することで正常値に近づける事ができます。

腫瘍マーカーのCA19-9値を正常にするための治療法

悪性腫瘍か、もしくは良性腫瘍かによっても異なります。

また、悪性の場合でもがんの種類や進行度によっても大きく異なります。一般的には標準治療や分子標的治療などの治療を行いますが、これは数値を下げる目的ではなく、がん細胞を減らす事が目的です。

CA19-9はあくまでがんの存在や活動度を示す指標であり、必ずしもがんと直結しているとは限りません。

したがって、かかりつけ医がいる場合は、よく相談し定期的に検査を受けることをお薦めします。

一般的な病院での治療法

癌であれば標準治療(手術、化学療法、放射線)あるいは免疫治療でがん細胞を減らす治療を行います。

良性疾患であればその疾患に合わせた治療を担当の医師からお聞きください。

HICクリニックでオススメしている内容

当院は従来の腫瘍マーカーのCA19-9、CEA、AFP、PIVKA-Ⅱ、PSA、CA72-4、SCC、NSE、Pro-GRP、DUPAN―2などの健診や人間ドッグでやる採血以外に、251種類の遺伝子を調べ、前がん状態もしくはその1歩手前の状態までを調べることができます。

最近は、遺伝子異常をスコア化しており異常な遺伝子が5つ以上ある場合は、PET-CTで早期癌が見つかることがあり、当院では特に予防に力を入れています。

やはり前がん状態であれば、まだ治療による体への負担も比較的軽いため、1日でも早く遺伝子診断によって現在の状態を把握することが重要だと考えています。

そしてこの診断結果をもとに、遺伝子に異常が発見された場合は、遺伝子治療によるがん予防やがん治療を行っています。

まとめ

CA19-9などの腫瘍マーカーが高い数値を示した場合、癌ではないかと心配される方が多いと思われます。その場合は必ずしも癌とは限らない為、医療機関にて一度ご相談されるのが良いかと思います。

こちらの記事の監修医師

Picture of 平畑 徹幸

平畑 徹幸

HICクリニック院長 医学博士
平畑院長の紹介はこちら

■所属団体
日本内科学会、日本抗加齢医学会、一般社団法人 日本アンチエイジング外科学会、膵臓病学会、日本遺伝子診療学会、日本人類遺伝子学会、アメリカ人類遺伝学会、A4M「米国抗加齢学会」
■著書
『がん遺伝子診断・治療のススメ がん予防・治療の新しい選択肢』、『すい臓病の原因と予防―お腹・背中・腰がモヤモヤしたら…』他

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