咽頭(いんとう)は、鼻の奥から喉の入り口までをつなぐ通り道で、呼吸・発声・飲み込みに深く関わる重要な部位です。咽頭がんはこの咽頭に発生するがんの総称で、初期症状が風邪や疲れと似ているため、気づかれにくいという特徴があります。本記事では、咽頭がんの種類、初期症状、気づくきっかけ、治療の選択肢までを、分かりやすく解説します。
咽頭がんの種類とは?がんができる場所で分類される
咽頭がんは、発生する部位によって大きく3つに分けられます。同じ「咽頭がん」でも、できる場所によって症状や進行の特徴が異なります。
上咽頭がん:鼻の奥と喉の間に発生するがん
上咽頭は、鼻の奥に位置するため、普段の生活で意識することが少ない場所です。そのため、がんができても直接見たり触れたりすることができず、症状に気づきにくいという特徴があります。初期には鼻づまりや鼻水、軽い頭重感など、風邪やアレルギーと似た症状が出ることがあります。また、耳とつながる構造があるため、耳の症状として現れることも少なくありません。
中咽頭がん:扁桃(へんとう)・舌の根に発生
中咽頭は、口を開けた奥に見える部分で、扁桃や舌の付け根を含みます。食べ物や空気が通る場所であるため、違和感や痛みを自覚しやすいのが特徴です。会話や食事の際に症状が出やすく、「喉の調子が悪い」「扁桃炎が治らない」と思って受診し、検査で見つかるケースもあります。
下咽頭がん:喉の入り口に発生し進行が早い
下咽頭は、食道の入り口に近い部分で、がんが比較的進行しやすいとされています。初期症状が非常に軽いことも多く、違和感だけで長期間経過してしまうことがあります。進行すると飲み込みにくさや声の変化が強くなり、日常生活に支障が出て初めて気づくケースも少なくありません。
種類別に見る咽頭がんの初期症状とは?
咽頭がんの初期症状は、はっきりした痛みがないことも多く、「気のせい」「年齢のせい」と見過ごされやすい点が特徴です。
声のかすれ・違和感:中咽頭・下咽頭がんに多い初期症状
声がかすれる、声が出しにくい、喉に何かが引っかかっている感じが続くといった症状は、中咽頭がんや下咽頭がんで比較的多く見られます。風邪による声枯れは通常数日から1週間ほどで改善しますが、2週間以上続く場合は注意が必要です。特に、痛みがなくても違和感が取れない場合は、検査を受けることが大切です。
耳の痛み・耳閉感:上咽頭がんに特徴的
上咽頭がんでは、耳そのものに異常がないにもかかわらず、片側の耳が痛んだり、詰まった感じが続くことがあります。これは咽頭の異常が神経を介して耳に伝わる「放散痛」と呼ばれる現象です。耳鼻科で耳の検査をしても異常が見つからない場合、咽頭側に原因がある可能性も考える必要があります。
飲み込みにくさや異物感:全タイプに共通しやすい初期兆候
食事の際に飲み込みにくい、喉に食べ物が残る感じがする、何もないのに異物感があるといった症状は、咽頭がんのすべてのタイプで共通して見られることがあります。体重減少や食事量の低下を伴う場合は、がん以外の病気も含め、早めの受診が重要です。
咽頭がんに気づくきっかけや、なりやすい人の特徴とは?
咽頭がんを疑う初期のサインとは?
以下のような症状が2週間以上続く場合は、一度専門医に相談することが勧められます。
・喉の違和感や軽い痛みが治らない
・声のかすれが長引いている
・片側だけの耳の痛みや詰まり感
・首にしこりを感じる
・飲み込みにくさが続く
これらは必ずしもがんとは限りませんが、検査によって原因を確認することが大切です。
こんな人は注意!咽頭がんのリスクが高い人とは?
咽頭がんは、生活習慣や感染症と深く関係しています。
・長年の喫煙習慣がある
・飲酒量が多い
・HPV(ヒトパピローマウイルス)感染歴がある
・50歳以上、特に男性
これらに該当する方は、症状が軽くても注意深く体の変化を観察する必要があります。
自覚症状がない場合でもできる早期対策とは?
症状がなくても、定期的な健康診断や耳鼻咽喉科でのチェックは早期発見につながります。内視鏡検査により、目に見えない部位の異常を確認することも可能です。また、禁煙・節酒は、咽頭がんの予防として非常に重要な対策です。
咽頭がんの治療法と選択肢:個別化医療の時代へ
手術・放射線・化学療法の基本的な治療法
咽頭がんの治療は、がんの進行度や部位、患者さんの全身状態に応じて決定されます。主な治療法は、手術、放射線治療、抗がん剤治療で、これらを単独または組み合わせて行います。近年は、声や飲み込みの機能をできるだけ温存する治療が重視されています。
免疫療法・分子標的薬などの先進的治療
進行がんや再発例では、免疫チェックポイント阻害薬など、がんの性質に応じた治療が選択されることがあります。これにより、従来よりも治療の選択肢が広がっています。
HICクリニックでの遺伝子治療・抑制遺伝子注入によるサポート
当院のがん遺伝子検査は、がんの原因となる遺伝子を現時点で268種類検査することができ、異常の有無を調べます。異常が見つかった際には、遺伝子を改善するためにがん細胞にがん抑制遺伝子を用いて、がん細胞の消滅または正常化に導いていきます。お困りの方は、一度当院にご相談ください。
まとめ
咽頭がんの初期症状は、喉の違和感や声のかすれ、耳の痛みなど、日常的によくある不調と非常に似ています。そのため、「様子を見よう」と放置されやすいのが現実です。しかし、「いつもと違う」「なかなか治らない」と感じたときに行動することが、早期発見につながります。少しでも不安がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。






