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がんが再発するのはなぜ?再発予防の方法も紹介

目次

こちらの記事の監修医師
HICクリニック院長/医学博士

がんが再発する理由

手術して治ったのに再発する原因

がんにおける「再発」とは、手術などで取り除けたように見えたがんが、画像検査などで見えないほどの大きさで残っており、時間をかけて再び大きくなって現れることをいいます。

がんの再発は、がんが最初にできた場所(原発巣と言います)で再び現れる場合と、原発巣からがん細胞が血管やリンパ管に入り込んで、別の離れた組織に現れる場合(転移と言います)があります。

手術などのあとに残った微小ながん細胞は、およそ5年間のうちには画像検査で見えるほどまで大きく増殖します。

そのため一般的には、手術後5年が経過して再発がなければ、そこでがんが「完治した」と言えます。(がんの増殖が遅い乳がんなど、一部のがんは5年以降も再発する可能性があります。)

再発・転移の種類とその原因

  1. 局所再発(再発の仕方と再発の原因について)

最初の原発がんと同じ場所、あるいはごく近くで再発します。

  1. 領域再発(再発の仕方と再発の原因について)

原発がん発生部位の近くのリンパ節、組織で成長したときに再発します。

  1. 遠隔再発(再発の仕方と再発の原因について)

原発がんの発生部位から離れている器官または組織に遠隔転移します。

がんを根治することは無理なのか

治るがんとは、原発巣の部位の組織を完全に摘出できることが前提になります。

また、転移を起こしていても手術で切除、摘出できる範囲にしか転移していないがんのことをいいます。

放射線療法でも同じことがいえます。

このようながんを「局在がん」または「限局がん」と呼んでいます。

局在がんなら手術で摘出できれば治る可能性は非常に高くなり、5年経過した時点で完治したことになります。

現時点で最良の治療法は、手術とほぼ決まっています。

がんの再発予防

国立がん研究センターをはじめとする研究グループでは、日本人を対象としたこれまでの研究を調べました。

その結果、日本人のがんの予防にとって重要な、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に「感染」を加えた6つの要因を取りあげ、「日本人のためのがん予防法(5+1)」を定めました。

また、2018年に「世界がん研究基金」や「米国がん研究財団」が公表したガン予防を目的としたチェックリストもあり、その合計ポイントが高いほど「ガンになりにくい」とされています。チェックするのは7項目だけです。

①適正な体重を維持
②積極的に体を動かす
③全粒穀物、野菜、果実、豆類の多い食事
④ファストフードや脂肪、澱粉、糖の多い加工食品を控える
⑤赤身肉、加工肉の摂取を控える
⑥砂糖入り飲料を控える
⑦アルコールを控える

この7つの生活習慣を心がけることで、ガンになるリスクを減らすことが出来るとされています。

がんの再発予防の重要性

がんは再発(特に転移)すると、その後の治療が難しくなってしまいます。その理由は、転移した再発がんの場合、すでに全身にがんが回っていると判断され、再度がんを取り除く手術の適応とならないことが多いからです。

現在のところ、抗がん剤による全身治療では一時的にがんが縮小することはありますが、完全にがんが死滅することは中々なく、完治が難しい要因になっています。

そのため、がん再発予防の戦略は、早期発見だけでなく、再発させない戦略(再発予防)がとても重要となります。

がんの再発予防の一般的な治療法

主に免疫療法、抗がん剤治療、ホルモン療法、放射線治療などがあります。

免疫療法では、体内の免疫力を高めてがん細胞と戦う力を増強し、がんの発生や増殖を防ぐ治療法です。体外で培養・強化した患者自身の免疫細胞を再び体内に投与する「がん免疫細胞治療」や、ペプチドワクチンを注射する「がんペプチドワクチン療法」などがあります。副作用が少なく、全身に点在するがん細胞を攻撃できるのがメリットです。

抗がん剤治療・ホルモン療法・抗体療法は血液の流れに乗って全身に行きわたる薬物療法です。

放射線治療では照射した部分だけに効果がある局所療法の一種で、がん細胞の増殖を止めて再発を予防します。

これらの治療は個々の病態に合わせて治療が決まっていきます。

HICクリニックでオススメしている内容

当院では特にがん予防に力を入れています。当院のがん遺伝子診断によって定期的に遺伝子異常が起こっていないか確認し、約250種類の遺伝子から異常を調べることで、再発を未然に防ぐ治療を行なっています。

その遺伝子診断結果を元に、遺伝子を修復することで、がん治療を行なっています。

がんの再発が発見される前から、がん遺伝子予防治療を実施することで、再発が見つかってから治療するよりも身体への負担も少なく治療を行うことができます。

まとめ

実際に、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に気を付けて生活している人とそうでない人では、将来がんになる確率はどれくらい違うのでしょうか。

国立がん研究センターでは、日本全国の11の保健所の協力を得て、調査開始時点で年齢40歳から69歳の男女、総計140,420人を対象に、生活習慣とがんやほかの病気の罹患についての追跡調査を実施してきました。

その結果、この5つの健康習慣を実践する人は、0または1つ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという推計が示されました。

まずは5つの健康習慣を実践することでがんリスクはほぼ半減します。それに加えて定期的な検査を実施して、異常を早期発見することも大事になってきます。

日常的にできそうなことから取り組み、1つでも多くの健康習慣を身につけることで、がんの再発予防を行なっていきましょう。

こちらの記事の監修医師

Picture of 平畑 徹幸

平畑 徹幸

HICクリニック院長 医学博士
平畑院長の紹介はこちら

■所属団体
日本内科学会、日本抗加齢医学会、一般社団法人 日本アンチエイジング外科学会、膵臓病学会、日本遺伝子診療学会、日本人類遺伝子学会、アメリカ人類遺伝学会、A4M「米国抗加齢学会」
■著書
『がん遺伝子診断・治療のススメ がん予防・治療の新しい選択肢』、『すい臓病の原因と予防―お腹・背中・腰がモヤモヤしたら…』他

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