腫瘍マーカーで女性が特に見た方が良い数値
腫瘍マーカーとは、がんの種類によって特徴的に作られるタンパク質などの物質です。
がん細胞の数や、がん細胞が作る物質の量が多くなると値が高くなります。
この検査は、がんの診断の補助や、診断後の経過や治療の効果をみることを目的に行われます。今回は女性が特に注目すべき腫瘍マーカーの数値についてご紹介します。
腫瘍マーカーの女性が見るべき数値はこれ
必ずしも女性のみとは言えませんがCEA、AFP、CA19-9、SCC、CA125、β―HCGなどは注目すべき数値になります。その中でも女性特有の腫瘍マーカーについて下記にてご説明いたします。
CA125
卵巣がん、子宮体癌に特異性がでる腫瘍マーカーです。
女性特有の疾患リスクに幅広く対応する腫瘍マーカーと言われています。卵巣がん全体では70から80%の陽性率を示し、診断や治療効果、予後の推測、再発予測のモニタリングに有用です。
子宮、卵管内膜でも産生されるため良性卵巣腫瘍、子宮内膜症、子宮筋腫でも上昇し、子宮内膜症では50%を超える高い偽陽性率を示すため、子宮内膜症の補助診断や薬物療法の効果判定に応用されています。
CA125は女性ホルモンのエストロゲンという物質により亢進します。性、加齢、性周期および妊娠なども影響を受けます。エストロゲンで生成が促されるため生理時に上昇する性質があり異常値まで上昇する場合があります。
妊娠初期には高値となりますが妊娠経過とともに低下します。よって生理中や妊娠中の採血は正確な判定をできないことがあります。
CA125の基準値
35.0U/ml以下
CA125の数値が高い場合になる癌
卵巣がん、子宮体癌
β―HCG
この数値はβ-HCGは、ヒト絨毛性ゴナドトロピンと呼ばれるホルモンの一種で、妊娠初期に胎盤から分泌されます。
通常は妊娠中にのみ測定可能な量が産生されるホルモンです。しかし、β-HCGが異常値を示す場合は、卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌の可能性があります。
β―HCGの基準値
0.10ng/ml以下
β―HCGの数値が高い場合になる癌
卵巣癌、子宮頸癌、子宮体癌
腫瘍マーカーで他に見るべき数値
他にもみるべき数値は、CEA、AFP、SCC、CA19-9、CA15-3、CA72-4などがあります。
基準値としてはCEAは5.0ng/ml以下、AFPは10.0ng/ml以下、SCCは1.5ng/ml以下、CA19-9は37.0U/ml以下、CA15-3は31.3U/ml以下、CA72-4は6.9U/ml以下となります。
腫瘍マーカー数値が高かったらどうしたらよい?
数値が高かった場合、改善方法としては生活習慣を見直すことや、さらに検査・治療が必要な場合があります。
生活改善でなんとかなる数値、検査・治療が必要な数値
生活習慣を見直すだけで、改善する数値の目安をお伝えすることは難しいですが、上記でご説明した通り、基準値を上回るようであれば追加で検査や治療が必要な場合もあります。
日本人では男性のがんの43.4%、女性の25.3%は生活習慣や感染が原因でがんとなったと考えられます。
現在がんと診断されている方や治療中の方や治療後の方、がんでない方も喫煙、飲酒、塩分の多い食事などに気をつけ軽度から中等度の運動をして肥満にならないようにしましょう。
現状、基準値内でも、今後どのくらいの頻度で腫瘍マーカーテストをした方がよいか
一般的には、がんのリスクが高まる年齢になったら、定期的に受けることが推奨されています。
ただし、がんのリスクは年齢だけでなく、遺伝子や生活習慣などにも影響されるため、医師と相談しながら受けることをお勧めします。
腫瘍マーカーは保険診療内でも採血可能ですので、家族歴にがんが多い場合、かかりつけの医療機関等でどの頻度で検査した方が良いか相談してみましょう。
腫瘍マーカー以外にも癌を未然に防ぐ方法がある
上記でお伝えしました通り、生活習慣を見直すことが重要になります。
それに加えて当院では、がんに関連する遺伝子を調べることでがんを未然に防ぐ治療を行っております。
HICクリニックでオススメしている内容
女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは母親が2007年に56歳の若さで乳癌により命を落としていることを受けて、遺伝子検査を行った結果、BRCA1という遺伝子の変異が見つかりました。
乳癌発症率は平均65%とされていますが、医師によるとアンジェリーナ・ジョリーさんの乳癌リスクは87%卵巣がん50%と診断され両乳房切除手術を決心し手術されました。
当院では約200種類のがん関連遺伝子の検査が可能で、腫瘍マーカーと合わせて検査をすることで、がんの有無や現在の状況を調べることができます。
まとめ
女性特有の腫瘍マーカーが高値の場合、腫瘍マーカーのみではがんの診断は困難なので、医療機関で画像診断等の検査や、当院の遺伝子検査も受けることで、改めて未然にがんを防ぐ習慣を身につけてはいかがでしょうか。