再発率の高い癌ってどんな癌?

目次

こちらの記事の監修医師
HICクリニック院長/医学博士

再発する癌の種類と特徴

「再発するがん」とは、治療後に一旦は消失、あるいは縮小したがんがぶり返すことです。

がんの再発には、がんの種類やステージ、治療法などの要因が関係しています。一般的に、ステージの進行が早い進行がんは、早期のがんに比べて再発しやすい傾向にあります。

また、悪性度の高いがんでは、再発することが多く、進行を食い止めることが難しいケースもあります。再発するがんの種類については一概に言えませんが、それぞれの種類によって再発しやすさや特徴が異なります。

再発する癌の中でも再発率が高い癌

がんの治療は主に手術や放射線治療、薬物療法(抗がん剤)、免疫療法などがあります。

目に見えないほど小さながんは手術で取りきれないこともあり、他の場所に転移し再発する場合もあります。その中でも再発率が高いと言われているがんについてご説明いたします。

再発率の高い癌ワースト3

再発率の高いがんや、低いがんなどが、国立がんセンターで特に発表されているわけでないですが、その中でも再発率が高いと言われるがんを3つご紹介します。

乳がん

まず、1つ目に乳がんはいつまでも再発するがんと言えるでしょう。乳がんの場合、乳がん細胞が骨髄中に入り、そこで長期間の休眠に入るというモデルが提唱されています。休眠中の乳がん細胞が何らかのシグナルを受けて覚醒し再発転移を起こすと考えられています。

肝臓がん

2つ目に、肝臓がんも長期間にわたって再発を繰り返すがんです。肝臓は沈黙の臓器とも言われるため、自覚症状が無い場合があり、気づかないうちにがんが再発している可能性もあります。

すい臓がん

最後に、膵臓がんについてですが、膵臓はからだの奥深くにあって早期の膵臓がんを発見しにくいことや、膵臓が多くの消化器や重要なリンパ節、重要な動脈に取り巻かれていて完全に切除しにくいこと、膵臓がんが早期から転移を起こしやすいため、再発率が高いと言われています。

特に肝臓、腹膜、肺、リンパ節、骨などへの転移が多いとされています。

再発率の低い癌ベスト3 

再発率が低いと言われているがんについて、こちらも一概には言えませんが3つご紹介します。

前立腺がん

1つ目に前立腺がんは再発率が低く、治療後5年間で再発する確率は約10%以下とされています。

子宮頸がん

2つ目に子宮頸がんは早期発見・早期治療を行うことで再発率を下げることができます。また、子宮頸部摘出術や放射線治療などの治療法もあります。

大腸がん

最後に大腸がんは再発率は低く、5年生存率は約70%以上とされています。大腸がんは5年経過すると再発、死亡する患者さんは少ないと言われています。

再発する場合、癌の発症から何年後くらいが多いのか

発症する可能性のある期間は、臓器別、がんの種類やステージ、治療法にもよるので一概に言えませんが、一般的に、ステージの進行が早い進行がんは、早期のがんに比べて再発しやすい傾向にあります。

肝臓がんや肺がん、乳がんなどは5年を過ぎても再発する場合もあります。また、進行度の高いがんでは、治療後2年以内に再発する割合が高く、5年以内には70%以上が再発するという結果もあります。

癌の再発率を下げるための方法

自分でできること

日本人を対象とした研究結果から定めた科学的根拠に基づいた日本人のためのがん予防法(5+1)です。癌予防で再発予防とは趣旨が違いますが、基本は同じで自分自身でできることになります。

①禁煙、②節酒、③減塩 野菜、果物を摂取、④身体を動かす、⑤適正体重を維持、⑥感染予防、詳細は国立がん研究センターのがん予防を参考にしてください。

病院でできること

病院でできる事として、少しでも体調に不安なことや、体に異変を感じた際はすぐにかかりつけ医に相談してください。治療後の経過観察や定期的な検査を受けることで早期発見・早期治療を心掛けましょう。

HICクリニックでオススメしている内容

当院ではがん予防に特に力をいれていますが、実際にがんの治療中の患者さんや癌再発予防で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。

当然標準治療をベースに生活習慣のアドバイスや個々人に合わせたオーダーメイドな予防治療を提供させていただいています。

まとめ

日本人は一生のうち2人に1人はがんになり男性は4人に1人、女性は6人に1人はがんで亡くなると言われています。

がんは遺伝的なもの以外に生活習慣が誘因で発症することも多く、日頃から予防に気を使い生活していくことが大事かと思われます。

こちらの記事の監修医師

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平畑 徹幸

HICクリニック院長 医学博士
平畑院長の紹介はこちら

■所属団体
日本内科学会、日本抗加齢医学会、一般社団法人 日本アンチエイジング外科学会、膵臓病学会、日本遺伝子診療学会、日本人類遺伝子学会、アメリカ人類遺伝学会、A4M「米国抗加齢学会」
■著書
『がん遺伝子診断・治療のススメ がん予防・治療の新しい選択肢』、『すい臓病の原因と予防―お腹・背中・腰がモヤモヤしたら…』他

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